『自分軸』という言葉は世の中に広まっていますが、多くの場合、その本質が誤解され、間違った形で使われています。
多くの人は 『自分軸=自分の好きなように生きること』 だと思っていますが、実際にはそれは 『自己中心』 や 『他人軸の裏返し』 に過ぎないことが多いです。
以前、別記事でお茶漬けとフランス料理について書いたことがある↓んですが、自分軸と他人軸が分かりづらかったようなので、もっと詳しくまとめてみることにしました。

本来の 『自分軸』 とは、単に自分の考えを貫くだけでなく、『自分の価値観を持ちながら、相手の価値観も尊重できること』 にあります。
読み進めていただけると、うれしいです。
『自分軸』と『他人軸の押し付け』の違い

- 本当の『自分軸』
- 間違った『自分軸』(=他人軸の押し付け)
①本当の『自分軸』
- 自分の価値観を持ちながら、相手の価値観も尊重する
- 他人を無理に変えようとしない
- 他人の評価がなくても、自分の価値を感じられる
- 『私はこう思う。でも、あなたはどう思う?』と対話できる
②間違った『自分軸』(=他人軸の押し付け)
- 『私はこうしたいから、相手の意見はどうでもいい』
- 『これが正しいと思うから、あなたもそうすべき!』
- 『相手が自分の期待通りに動いてくれないと不機嫌になる』
- 『自分がやりたいことを優先するのが自分軸!』(←実は自己中心的)
この違いを理解することが、『本当の自分軸』を持つための第一歩。
『お茶漬け vs フランス料理』の例で考える

- 自己中心的な行動(間違った自分軸)
- 本当の自分軸の行動
- 『自分軸』と『他人軸』の本当の違い
①自己中心的な行動(間違った自分軸)

お茶漬けが食べたいなぁ。



いや、フランス料理の方がいいに決まってる!おいしいし、自分料理得意だし!フルコース作ろう!



ちゃんと聞いてたのかよ…
→ これは 『自分軸』ではなく、『自分の価値観の押し付け』 。
②本当の自分軸の行動



お茶漬けが食べたいなぁ。



お茶漬け?フランス料理が得意でさ、日本鯛茶漬けのアレンジで、鯛のカルパッチョをのせたリゾットに、魚介ブイヨンをかけるやつなんだけど、これはどう?



それ、いいね。
これが 『本当の自分軸』。
『自分の考えを持ちながら、相手の意見も尊重している』からです。
③『自分軸』と『他人軸』の本当の違い
本当の自分軸 | 間違った自分軸(=実は他人軸) |
---|---|
自分の価値観を大切にする | 自分の価値観を押し付ける |
他人の価値観も尊重する | 他人を無理に変えようとする |
他人に左右されず、自分の意思で動く | 他人の反応や評価で動く |
相手の自由を認められる | 相手が思い通りにならないと怒る |
『他人軸の押し付け』はなぜ起こるのか?


『自分軸で生きる!』と言っている人の中には、『実は他人軸』で動いている人がたくさんいます。
例えばこんな人↓
- 『相手の行動で自分を満たそうとしている』
- 『自分が正しいと証明しないと気が済まない』
- 『相手が期待通りに動かないと不機嫌になる』
自覚がないことが多いんです。



『本当の意味での自分軸がないからこそ、他人の行動で自分を満たそうとしている』という現実に。
『お茶漬け vs フランス料理』の自分軸判断基準


自分軸の行動ができているかどうかの基準は?
もし、あなたがフランス料理のフルコースを出したと仮定しましょう。
- 相手の気持ちを受け止める →『お茶漬けが食べたかったんだよね、ごめん!』
- 相手の自由を認める →『フランス料理食べたくない気分だったか、了解!』
- 相手の希望を受け入れる →『じゃあ次はお茶漬け作るわ!』
他人軸※5つのタイプ別発言集
①承認欲求MAXタイプ



え?お茶漬け? いやいや、こっちの方が絶対いいって!ほら、見て!このソースの艶!!食べたら人生変わるから!!せっかく手間ひまかけて作ったんだから、食べてくれないとこっちの気持ちが収まらない!いや、普通に考えてフランス料理の方が豪華じゃない? むしろ俺が作ったんだからありがたく食べるべきでしょ?



艶?お茶漬けというシンプルで安定した状態を望んでいたのに、フランス料理という高エネルギー状態を強制的にぶち込まれて、結果としてカオス爆増してるんですが?
② 相手の気持ちガン無視タイプ



お茶漬け?そんなのいつでも食べられるでしょ?でもこのフォアグラのポワレは滅多に食べられないよ!君のために最高のフルコースを用意したんだから、お茶漬けなんて言わないでさ、ほら、食べて!え?これ嫌?うーん、でもフランス料理の良さが分からないのは、味覚レベルが低いかも。



お茶漬けが食べたい!というまっすぐな意志(慣性運動)を持っていたのに、でもこのフォアグラのポワレは滅多に食べられないよ!という強烈な外力が加わり、完全に進行方向がズレましたね?これ、もはやお茶漬けの意志はどこに行ったんですか?
③ 逆ギレタイプ



せっかく作ったのに、何でお茶漬けがよかったとか言うの?もう作らないから!こっちの努力をなんだと思ってるの?! お茶漬けなんて手抜き料理と一緒にしないで!あーもう、こんなに頑張ったのに感謝もされないなんて、私ってかわいそう!(とか言って自分から部屋を出ていく)



怒りのエネルギーで回転が始まり、最終的に部屋の外へと吹っ飛んでいく…まるで惑星から離脱するロケットみたいに、感情の遠心力で飛んでいってません?
④ 自己憐憫タイプ(被害者モード発動)



私、あなたのためにこんなに頑張ったのに…なんか悲しい…お茶漬けがいいって言ってたけど、私はあなたに最高のものを食べてほしいって思ったんだよ…私なんか、結局何をしてもダメなんだね…(※相手が謝るまで落ち込むふり)



私なんかダメなんだ…という自己憐憫(じこれんびん)のブラックホールが発生。その結果、周囲の空間が歪められ、相手が謝らざるを得ない引力に飲み込まれていく。まるで相手が脱出できない重力場を作り出す感情のブラックホール。
⑤ 『本当は相手のためにやってる』と思い込んでるタイプ



お茶漬けなんて、栄養バランス的にダメだからね! これ、あなたの健康を考えて作ったんだから!フランス料理を食べる経験をさせてあげようと思ったんだよ!お茶漬けしか食べてないと、人生損してるよ!私の方がグルメだから、あなたが何を食べるか決めてあげる!



お茶漬け食べたいという小さなリクエストが…健康、経験、人生論にまで膨張し、最終的に『あなたが何を食べるか決めてあげる』という謎のビッグバンが発生。
なぜ世の中で『自分軸』が誤解されるのか?


- 『自分軸』という言葉がシンプルすぎて、深く考えられない
- 『自分を大切にすること』と『他人を尊重すること』を両立できると知らない
- 『自分軸』を『自己正当化』に使う人が多い
- 『本当の自分軸』を持つには深い自己理解が必要だが、多くの人は深く考えない
- まとめ
①『自分軸』という言葉がシンプルすぎて、深く考えられない
『自分の好きなようにすればいい』 → (ただの自己中心的な行動)
『他人を気にしないのが自分軸』 → (ただの無関心や無責任)
『やりたくないことはやらなくていい』 → (ただの甘えや現実逃避)



もはや『自由』じゃなくて『野生の解放』。このままいくと『気づくと無人島生活』。
『自分の価値観を大切にしながら、他人の価値観も尊重する』
『他人の意見に流されずに、自分で考えて選択する』
『やりたくないことでも、必要ならどう向き合うかを決める』
つまり、『自分軸』とはただ単に『好きなように生きること』ではなく、『自分と向き合い、責任を持ち、自分にとって最善の選択をすること』 です。



『自分軸』はシンプルな言葉だけど、その本質は深く、思考が必要なもの。
②『自分を大切にすること』と『他人を尊重すること』の両立を知らない
自分の意見と、友達の意見が食い違った。
『自分の考えが正しいから、相手の意見は聞かなくていい!(自己中心的)』
『相手の意見を尊重するために、自分の意見は引っ込めよう(自分を犠牲にする)』
『私はこう思うけど、君の考えにも一理ある。どうやったら両方の意見を活かせるかな?』
『自分の意見をしっかり伝えつつ、相手の意見も聞いて議論を深める』
意見が対立したときに、『どちらか一方を選ぶのではなく、新しい解決策を考える』という視点が大事、そうしていくうちに、自分の意見を大切にしながら、相手の考えも尊重できるようになります。
- 『自分を大切にする』=『他人を無視する』ではない
- 『他人を尊重する』=『自分を犠牲にする』ではない
- 『どちらかではなく、両方を満たす方法を探す』ことが大事
③『自分軸』を『自己正当化』に使う人が多い
本来、『自分軸』とは 『自分の価値観を大切にしながらも、他人を尊重し、自分の行動に責任を持つこと』 ですが、実際には 『自分軸』という言葉を都合よく使って、自分勝手な行動を正当化してしまうケース がよく見られます。
仕事の場面:責任放棄



自分軸で働きたいので、嫌な仕事はやりません。それが自分軸だから。
納期が厳しい?それは会社の都合でしょ?私は私のペースでやります。



自分軸で働くのと会社という組織に属しながらフリーダムに生きるのはちげーんだよ(違うんだよ)。
『自分の働き方を大切にするが、最低限の責任は果たす』
『やりたくない仕事があるなら、それをどうすれば減らせるか交渉する』
『嫌なことをしない=自分軸』ではなく、自分がどう行動するかを主体的に選ぶことが大切。フリーダムとはわけが違う。
人間関係:他人を軽視



私は自分軸で生きてるから、人に合わせる必要はない。私が行きたい場所にしか行かない。だってそれが自分軸。相手が嫌な気持ちになっても関係ない。私は私の道を行く。



ある意味カッコいいわ。ただ、私の道を行くのはいいけど、それ一本道だと友達全員に置いてかれるけど大丈夫?それ、ぼっち軸。
『私の生き方を否定しないでね』『私を理解してね』と期待してるのが見え見え。
『自分の意見を持ちながら、相手の意見も尊重する』
『無理に合わせるのではなく、お互いの妥協点を探す』
『他人に合わせない=自分軸』ではなく、自分も相手も大切にするバランスを取ることが本当の自分軸。
恋愛:相手の気持ちを考えない



私はこういう人間だから、理解できないなら別れれば?私は自分軸で生きてるから、あなたの期待には応えない。私の価値観を変える気はないから、受け入れるか別れるか選んで。



独裁政治?スローガンを掲げたい。
『自由を求める者たちよ、今こそ立ち上がれ!』
『自分の価値観を大切にしながら、相手の気持ちにも耳を傾ける』
『お互いに歩み寄ることで、より良い関係を築く努力をする』
『自分を貫く=自分軸』ではなく、相手の意見を受け入れつつ、自分の価値観を大切にすることが本当の自分軸。
SNS・意見の違い:批判を正当化する



私は自分の意見を持っているから、言いたいことは遠慮なく言う。傷ついた?知らないよ。私は自分の考えを言っただけだから。私は本音を言うタイプだから、嫌なら聞かなくていい!



アドラー思考なの?アドラーもノールックでボールぶん投げろとは言ってないから。狙って投げないと。考えろ。
『自分の意見を持ちつつ、相手の意見も尊重する』
『伝え方を工夫し、相手に無駄な傷を与えないよう配慮する』
何でも言いたい放題=自分軸』ではなく、意見を持ちつつも伝え方を工夫することが本当の自分軸。
ルールやマナー:自己中心的な行動を正当化する



自分軸で生きるので、細かいルールには縛られません。道を譲らないのが私のスタイル。譲れって言わないで。時間に遅れるのも私の自由。自分軸を大切にしてるだけ。



それ、自由じゃなくてただの迷惑、無法地帯。
こういう『自分軸』を主張するタイプの人は、実際には『周りに認められたい』気持ちが強かったりします。だからこそ、『私はこういうスタイルだから!』とアピールするし、なんだかんだで群れたがる。結局、それは『承認欲求』の裏返しだったりします。
本当の意味での『自分軸』とは、他人の存在を前提にしないもの。だから、本当に自分軸で生きている人は、こんなことをわざわざ言う必要もないし、群れることに固執もしない。むしろ、淡々と自分の道を歩いていく。自分軸って『語るもの』じゃなくて『滲み出るもの』です。
『ルールやマナーを理解しつつ、本当に不要なものは取捨選択する』
『自分の自由を大切にしながら、他人に迷惑をかけない範囲で行動する』
『ルールを無視する=自分軸』ではなく、必要なルールを理解して、どう向き合うかを自分で決めること が本当の自分軸。
自己成長:努力を放棄する



私は自分らしく生きたいから、成長しなくてもいい。努力するのは自分軸じゃない。私は今のままでいい。苦手なことはやらない。それが私のスタイル。



『質量のある物体は、外力が加わらない限り動かない』、『第一法則(慣性の法則)』適用パターン。
『無理に成長する必要はないけれど、自分に合った成長の仕方を考える』
『無理のない範囲で、やるべきことを選んで取り組む』
『努力しない=自分軸』ではなく、自分に合ったペースで成長することが本当の自分軸。
④『本当の自分軸』を持つには深い自己理解が必要だが、多くの人は深く考えない
多くの人は『自分軸を持っている』と思い込んでいても、実は『他人の価値観』や『社会の常識』によって無意識に左右されている』ことが多いです。
つまり、『自分軸で生きているつもり』でも、実際には深く考えずに表面的な選択をしているだけというケースがよくある、ということですね。



高級ブランドを持っていたほうがかっこいいと思われる。周りが持っていると、自分も買わないとダサい気がする。本当は好きじゃないけど、流行りだから買っちゃった。



みんなが持ってるから買う=もはやファッションじゃなくて制服。
『本当にそのブランドが好きか?』
『ブランドの価値ではなく、自分の好みを大事にできるか?』
『他人の評価ではなく、自分の満足感で選べるか?』
表面的に『流行っているから』と考えるのではなく、『自分にとって本当に価値があるものを選ぶ』ことが、自分軸の選択です。
多くの人は、『自分の選択をしているつもりで、実は他人の価値観に流されている』ことが多いです。
- 『みんながやっているから、自分もやる』は、自分軸ではなく他人軸
- 『親や社会が『こうすべき』と言うから、そうする』は、深く考えない選択
- 『本当に自分が求めているものか?』を問い直すことで、本当の自分軸が見えてくる
深く考えずに選択する』のではなく、『自分にとって本当に大切なことを理解したうえで選ぶ』のが、本当の自分軸!
⑤まとめ
『自分軸』という言葉は、都合よく解釈されがちですが、実際には『自己正当化』の道具として使われることが多い。
『好きなことだけやる!』 → (責任を放棄)
『私はこういう人間だから!』 → (他人を軽視するときに使うと×)
『嫌なら離れれば?』 → (相手を尊重しない)
『自分の意見を持ちながら、他人の意見も尊重する』
『自分の選択に責任を持つ』
『感情的にならず、冷静に行動する』



本当の自分軸を持つ人は、自分の価値観を貫きつつも、他人を無視することはなく、自分にとって本当に正しい選択を考えることができる、自分の行動に責任を持てる人です。
『自分軸』は、他人を無視する免罪符ではなく、自分の選択に責任を持つための指針!
自己実現には『本当の自分軸』つまり『自己理解』が必要


『間違った自分軸』で自己実現を目指しても、どんなに頑張っても満たされないんです。
- 『お金を稼げば自己実現!』→ でも心は満たされない
- 『有名になれば自己実現!』→ でも他人の評価に振り回される
- 『好きなことだけやれば自己実現!』→ でも人間関係が破綻する
本当の自己実現には、『本当の自分軸』 を持つことが前提です。だから、自己理解が必要なんです。


まとめ
『自分軸』とは、自分の価値観を持ちながら、相手の価値観も尊重することで、 『他人軸の押し付け』とは、自分の価値観を絶対視し、相手に押し付けること。
間違った自分軸では、間違った自己実現しかできず、独裁的になる可能性すらあります。
本当の自分軸を持つためには、『相手の自由を認める』ことも大事で、相手の自由を認めるには自己理解は欠かせません。
たとえば、私はこうあるべき!と無意識に思っていると、相手が違う選択をしたときにイライラしがちになる。
でも、自分の価値観をしっかり理解していれば、自分はこう思うけど、相手には相手の考えがあるよね。と受け止めやすい。
もし、相手が自分と違う選択をするのが許せないと思うなら、それは『なぜ許せないのか?』を自分に問いかける必要がある。
自分の思い込みや価値観のクセを理解することで、『あ、これは私の問題だったんだ』と気づき、相手の自由を尊重できるようになる。
『本当の自分軸』を持つことで、初めて『本当の自己実現』に近づくことができます。




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