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『思考は現実化する』は間違いじゃない、でも“原点”が抜けてない?

『思考は現実化する』──なんて、夢のあるタイトルなんだろう。

願えば叶う?
ポジティブでいればいい?
宇宙にお願いすればOK?
……なんか、違くない?

わたしも、そんなふうに思ってた時期があった。でも、いろんなことを通ってみて、ふと気づいたんです。

ああ、なるほど。だからわたし、ずっとモヤモヤしてたんだなって。

そういう違和感をひとつずつ言語化していったら、『あのノリって、ちょっとズレてたのかも』って見えてきただけの話です。

結論としてはこう。

潜在意識って、“整った状態で使えば”ちゃんと力を発揮する。でも、“整わないまま”使おうとすると、うまくいかないことがある。

この記事では、そのあたりのズレと本来の構造について、まとめてみました。

目次

ナポレオン・ヒルの成功哲学

  • ナポレオン・ヒルがしていた研究
  • ヒルが扱う『潜在意識』はどういうものか?
  • まとめ※わたしの意見

① ナポレオン・ヒルがしていた研究

  • 主に 成功者へのインタビュー・観察・分析
  • アンドリュー・カーネギーの依頼でスタート(20年間かけて実施)
  • 成功者の“共通点”を抽出して法則化

成功者たちの思考・行動パターンを観察・抽出し、そこから『成功の法則』を体系化した。

彼が見ていたのは、 成功者が『何を考えていたか』『どう行動していたか』『何を信じていたか』。

② ヒルが扱う『潜在意識』はどういうものか?

ヒルの『思考は現実化する』の中で、潜在意識はこう語られてます。

  • 潜在意識は、『感情+繰り返し』によって信念を形成する
  • 願望を明確にし、感情を込めて何度もイメージせよ
  • 潜在意識はそれを現実化に向けて“働かせる装置”である

つまり、

  • 潜在意識=現実化のためのエンジン(目的)
  • 潜在意識を“どう活用するか”が主眼
ナポレオン・ヒル

あなた、成功したいんでしょ?
だったら、人間関係とか一回置いといてさ、目の前のことに一喜一憂せず、目的にだけフォーカスして、行動!行動!行動!
え?親との確執?
え?人間関係がうまくいかない?
それ、今の成功に関係ないから気にしなくて大丈夫!
とにかく、“成功に必要な情報”だけを潜在意識にどんどん上書きしなさい!

……っていうテンションで語ってくるのが、成功哲学原理主義です。体育会系です。荷物まとめとかしてたら、置いてかれる系。

だから、ヒルの本を読んでも、『なるほどとは思うけど…』みたいな感覚になることもある。

でも間違ってはない。合ってるの。

成功哲学が『認知と潜在意識の一致』を前提にしているのは間違いない。

だからこそ──

エゴが肥大した。
周囲と分断。
自分を見失った。
具体的に何をすれば…

…こういう状態になる人も現れる。

となると、成功するけど『何かがズレる』こともあるー潜在意識の内証が足りないとどうなるか?

③ まとめ※私見

潜在意識を“使う”前に、『その前段階=思考・感情・構造』の整理をすることが大事じゃないかと思う。

ヒルの哲学は『結果から逆算した成功モデル』なわけでしょう?これは事実。ヒル自身が言ってるし。その成功者たちの脳は既に優れている説が該当する。

潜在意識って、ただの“空っぽの箱”じゃなくて、これまでの環境・体験・関係性の蓄積からできた“構造体”なんですよね。

たとえば、

  • 幼少期の家庭環境(親の言動、家庭内のルール)
  • 学校・社会・文化からの刷り込み
  • 繰り返された“感情のトーン”
    (怒られる・褒められる・無視される など)
  • 承認/否定/比較/放置 の経験パターン

これらが、『自分というフィルター』=潜在意識を形づくるでしょう?

つまり、まだ成功という体験をできていない人が“無意識に思っていること”は、自分で選んだんじゃなくて、環境にインストールされたもの。こうなってることもある。

例えば、自分の“願い”自体が、過去の刷り込みでできていたら?

  • 誰かに認められたくて出た願い
  • 比較され続けた人生から生まれた反骨
  • 愛されたいという渇望が変形した自己実現欲求

その場合、願望を叶えたとしても──構造の変化が起きない限り、また同じ思考に戻る

つまり、

潜在意識は『願えば変わる』ものではない
むしろ、『これまでどう生きてきたか』で構成された“履歴”でできている
だから、ヒルのメソッドが効くのは『履歴の中に自己理解の蓄積がある人、つまり既に脳が優れている人用』
『思考の前提が未整理な人』には逆効果になることすらある

つまり、『願ったのに現実が動かない』という人は、願いを出す前に“誰の声を願ってるのか”に気づく必要がある。

例えば、

  • 願望が他者からの借り物でも、それに“本気”で感情を乗せればインストールされてしまう
  • 一時的に成功するけど、心の奥ではズレてる感覚が残る
  • そのズレに気づかないまま走り続けて、燃え尽きや虚無に突入する
  • つまり、『成功はするけど、整合性が取れてない』という状態。

こういった現象は、自分の内側の構造そのものが見えてないと起こる。つまりは自己理解不足。

……と、ここまで読んで、

え、なんか急に哲学っぽくなってきたぞ?

って思った人もいるかもしれません。でも、安心してください。

言いたいことはシンプルです。『本当の願い』って、ちゃんと整った心の上にしか乗らないよね、って話です。

だから、うまくいかないと感じたときは、

あ、願いの前提がズレてたかもな。

って立ち止まってみるのも、大事な“現実化”のプロセスのひとつなんじゃないかと。

けど、人生をかけて、潜在意識にアプローチをかけ、突き進むという決断をすることが、その決断を行動に移すことに意味があるんだと思うんです。

そこには、強さがある。その強さが、成功を引き付けるんだと思うんですよね。

そこで、です。

仏教に『空(くう)』という言葉があります。よく『空=何もない』『空=虚無』と解釈されがちですが、わたしは、“絶対”が存在しないという前提に立ったうえで、あえて“意味”を自分の手で選び直せる力のことかなと解釈してます。

その状態が、ナポレオン・ヒルの成功の哲学じゃないかと考えてるんですよ。

ヒル哲学と仏教の『空』を両方を重ねて扱う。だからこそ、まずは『思考や感情のクセ』を見つめてみる。そのうえで、ヒルの成功哲学を使うと、意味づけた人生に対して、めちゃくちゃ強い推進力が働く。
結果、成功しやすくなる。

そんな視点から、次はもう少し深く、“空”というテーマを見てみます。

どう色づけ(認知)するかは自分

『空=何もない』『空=虚無』って言われても、正直ピンとこないですよね。

でも、わたしなりに整理すると──

『世界に起きていること自体には、もともと意味なんてない。だけど、どう意味づけるかは自分次第』っていう、そういう構造のことなんじゃないかと思うんです。

結局のところ、私たちが見ている世界──誰かの態度とか、起きた出来事とか、それはすべて“認知”というフィルターを通して見えてる。

だから、『事実』より『どう捉えたか』のほうが、その人の現実になっていく。

で、そこに“空”の視点が入ってくると、『どの認知にも絶対的な正しさはない』ってことが見えてくる。つまり、意味は無数にあって、選ぶのは自分

重要なのは、『それでも私はこう意味づけて生きたい』と選べる力。

つまり、『意味がない』と知ったうえで、『それでもなお、自分の意志で意味を与える』。

ここに、“空”と“成功哲学”が繋がる地点があるんじゃないかと。

ぶれない選択の力

だから、『その認知すら不確か』と見抜いたあとに、『それでも、私は意味づけて生きたい、こういう風に意味づけて生きていきたい。』と言えるかどうか。その意味付けのためにあるのが、ナポレオン・ヒルの成功哲学じゃないかと思うんですよ。

  • 空 → 『意味なんてない』と気づく視点(=脱幻想)
  • 成功哲学 → 『意味を選び、現実を動かす』視点(=意志と創造)

空:すべては縁起。だから固定された『意味』はない。
成功哲学:ならば、意味は自分で選び、現実を動かせ。

つまり、空は、“自分の人生に色を塗るための白紙”で、ヒルの哲学は、“色を塗る技法”。そのどちらかではなく、“両方”があるから、人は自分の絵を描ける。

でもこの2つを混同すると、どっちも台無しになる危うさがある。

たとえば、空“だけ”で生きようとすると、

  • 物質世界に興味を失う
  • 現実逃避になるリスクもある
  • 自我を持たない理想だけが肥大する(←これは空じゃないけど、勘違いが出る)

そこに意味を持たせるべく、成功哲学を目指す。自分の見る世界に絵を描いていく。そして、そのバランス感覚で築いた成功こそ、他者への本質的な貢献につながるんじゃないですか。

こうじゃないのかと考える。

脳が整っていないと、ヒルだけでは無理が来やすい。空だけでは社会とズレる。だからこそ、『両方を重ねて扱う』。

だからこそ、まずは『思考や感情のクセ』を見つめてみる。

そのうえで、ヒルの成功哲学を使うと、意味づけた人生に対して、めちゃくちゃ強い推進力が働く。

この順番、めっちゃ大事なんじゃないかと思う。

仏教の思想は『現実→認知→潜在意識→自己構造』の逆流内観

現実(苦・現象)
↓ それがどう認知されているかを“気づく”
↓ 認知の背後にある“潜在意識的な構造”を観察
↓ それを構造ごと解体/脱同一化していく

ヒルの思想は『思考→潜在意識→現実』の順方向の使い方

思考(願望・目的)
↓ 感情を乗せて繰り返す
↓ 潜在意識にインストール
↓ 現実に作用する(行動・結果を引き起こす)

っていう持論ですよ。

だからこそ、ヒルが言う『思考は現実化する』も、ただ“願えばいい”という話ではなくて、自分の認知と潜在意識を一致させること、その上での選択と行動が本質。

それをすっ飛ばして『ポジティブ変換だけでOK』とか言ってたら、うまくいかないのは当然だと思う。

だから、ヒルは悪くない。

わたしは、『認知の柔軟性』と『視点の再構築』こそが原点だと思ってる。そこが整ったうえでの願いこそ、本当の意味で“現実を動かす”と思うから。それが引き寄せの法則でしょう?

潜在意識を整えるチェックツール

  • 自分の『願い』がどこから来ているかを見つめる《質問リスト》
  • 潜在意識の“整え前チェックリスト”
  • 日常を観察してみるワーク例

自分の『願い』がどこから来ているかを見つめる《質問リスト》

願望は、魂から湧き上がったものか、それとも誰かから借りたものか? まずは、問いかけることから始まります。

  1. その願い、最初に思い描いたのはいつ?
  2. 誰かと比較して生まれたものではないか?
  3. 『すごいね』と言われたい気持ちは含まれている?
  4. 叶ったとき、誰に認めてもらいたいと思ってる?
  5. その願いが叶わなくても、あなたはあなたでいられる?
  6. 本当に欲しいのは『結果』? それとも『プロセス』?
  7. もし誰にも見られていなかったら、それでもやりたい?
  8. その願望は、“今の自分”の延長線上にある? それとも、“誰かになろうとする”願望?

ちなみに『すごいね』って言われたい気持ち、そこに含まれてますか?

『それ、ダメなんですか?』って思った人。
ううん、全然ダメじゃない。むしろ大事。

でも、それが“願いの奥にある気持ち”だって、自分でちゃんと分かってるか?がポイント。

たとえば、

  • 誰に褒められたくて、その願いを叶えようとしてる?
  • 『すごいね』と言われたい、その“誰か”って誰?
  • それを言われたら、本当に自分の心は満たされる?

このあたり、深掘りしていくと、『自分は何に飢えていたのか』『その願いはどこから来たのか』が見えてきたりする。

そして不思議なことに、それをちゃんと見つめると、逆にそこから自由になれる。

  • 『あ、私、認められたいだけだったんだ』
  • 『だったら、それを前提に願いを見直そう』
  • 『それでもこの願いは、自分が本当に望んでることだ』

そうやって“自分で選び直せた願い”って、ものすごく強いです。ズレないし、ブレない。

だから、『認められたい気持ち』も、『誰かに褒められたい気持ち』も、悪じゃない。ただ、自覚してるかどうかが、すべて。自分がどうありたいか?が明確になる。

② 潜在意識の“整え前チェックリスト”

このチェックリストは『潜在意識に上書きする前の地ならし』。

思考と感情の土台を見直すことで、誤作動を防ぎます。

潜在意識に上書きする前の“地ならし”チェックリスト

  • 願望の背景を説明できる(なぜそれを望むのか?)
  • 自分の『思い込み』に気づいている(〜でなければならない、〜すべき、など)
  • 感情の起伏に対して観察的でいられる(=すぐ行動に直結させない)
  • 『他人の期待』と『自分の願い』の区別ができている
  • 今までの成功・失敗の“意味づけ”を整理できている
  • 目的と手段を混同していない(例:お金が目的になっていないか?)
  • 自己否定ベースではない願望である(〜だからダメだ、を起点にしていないか?)
  • それが叶ったとき、どんな感情が手に入ると思っていますか?
  • その感情を得るために、他にできることはありますか?
  • その願いを、“誰かに証明したい”という気持ちはありますか?
  • 誰かの価値観や成功像を、“自分のもの”として無意識に採用していませんか?

お金を目的にしてもOK。ただ、『なぜそれが欲しいのか?』は見ておこう。
→ 例:『安心したい』『自由になりたい』『家族を守りたい』など。 目的が明確なら、願いがズレにくくなる。

自分の願いがどこから来ているか?問いかけリスト

  • それが叶ったとき、どんな感情が手に入ると思っていますか?
  • その感情を得るために、他にできることはありますか?
  • その願いを、“誰かに証明したい”という気持ちはありますか?
  • 他人の『成功のテンプレート』をそのまま自分に貼り付けていませんか?

例えば、『誰かに証明したい』という気持ち自体は悪いものでも間違っているわけでもない

『親に認められたかった過去がある』→ OK。過去と向き合ってる。
『本当は怖かったけど、勝ちたかったから』→ OK。それが今の原動力なら問題なし。
『なんとなく成功しなきゃって思ってる』→ 要注意。誰の基準?

例えば、他人の『成功のテンプレート』をそのまま自分に張り付けるというのは、親の期待に応えたいとか、そういうもの。

『一流企業に入れ』と言われ続けた。
→ なんとなく『安定した職に就かなきゃ』と思っていたけど
→ 本当は『創作系で食べていけるなら、そっちのほうが幸せ』だった。

『証明したい気持ち』を“願いの燃料”として使うか、“呪縛”として抱えるかは、自分次第。それが無意識だと、願いは叶っても満たされない。

③ 日常を観察してみるワーク例

『意味は自分が与えているにすぎない』

この前提に立って、見えている世界を一度“解体”してみる試み。

ワーク①:出来事の意味を“3つ以上”考える

  1. 最近モヤモヤした出来事を書き出す(例:友人にLINEを既読スルーされた)
  2. →その出来事に対して、以下を問いかけてみる:それをどう意味づけた?(例:嫌われたかも)
  3. →他にどんな意味が考えられる?(例:忙しかっただけ/返信が苦手な人かも)
  4. →『意味づけを手放したとしたら』、何が残る?

ワーク②:『私はこう見ていた』に気づく日記

  • 今日起こったことを3つ選び、
  • それぞれ『自分がどう見ていたか』『他の見方はあるか?』を書いてみる

例えば、

  • 子どもが宿題をやらなかった →『やる気がない』と思った
  • でも本当は『疲れていた』『やる気を見せるタイミングを探していた』かもしれない

まとめ

『思考は現実化する』──って、なんか夢あるし、ワクワクするタイトルですよね。

『ポジティブでいればOK!』『願えば宇宙が動く!』っていうノリ、昔は私も信じてました。でも、現実がまったく動かないときがあって、こう思ったんです。

あれ?なんかズレてない?わたし、大丈夫?

その理由はカンタン。

そもそも“願ってる内容”が、自分でちゃんと選んだものじゃないと、潜在意識がチグハグになって動けないから。

たとえば、『お金持ちだ!』って思っても、具体的な行動がないと叶わない。行動を取って叶えたとしても、叶ったあとに『なんか違う…』ってなる。あるあるです。

だからまず、『なんでそれ叶えたいの?』『それって本当に自分の願い?』って、自分に聞いてみるのが超大事。

この記事では、そういう“願いの地ならし”の仕方や、チェックリスト、日常で使える観察ワークを紹介しています。

ちなみに、『そういうワーク、なんか構えてできないな…』って人には、ジャーナリング(思考の書き出し)がめっちゃおすすめです。

何を書いてもいい。書いてるうちに、勝手に思考が整ってきます。不思議と。

『願いは正直でいい。でもズレたまま突っ込むと遠回りするよ』

…っていうのは、たとえるなら、地図を見ずに全力疾走してるようなもの。どれだけスピード出しても、目的地がどんどん遠ざかってる──そんな人、けっこう多い。

だからこそ、『まずは地図を広げて、自分が今どこにいるか』を見るのが先。

…わたしはそう思ってるけど、あなたはどう思います?

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